スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ソルボンヌ大学中世音楽演奏マスター

ついに到来、ヴァカンス!待ちに待っておりました、この時期。
仕事をしなくて良い!なんて素敵!!

というわけで、試験シーズンを無事にのり切り、今年はさらに次年度(9月から始まる新学期)の身の振り方も早々に決まるという、かなり良い感じでのヴァカンス突入でございます。
中世音楽の研究でフランスの学位が欲しかった私、ソルボンヌ大学の修士に入ることにいたしました。

ソルボンヌの中世音楽課程

この課程はもともと、既に音楽家として活動中の人が中世音楽についての知識を証明する学位を取れるようにするというのが目的で作られていて、Master2という2年間の修士号コースです。教師陣は音楽学者だけでなく有名アンサンブルを率いる演奏家が集まっており、学問的側面だけでなく実践をかなり重視した学科。入試試験が6月にあります。

試験内容はプレ・セレクションが録音と書類審査(英語でも応募可能)。
私は実は願書締め切りぎりぎりに受験を決めたためものっすごい大急ぎで録音を用意したのですが、その時の録音がこちら。
ソルボンヌ用の録音
コンセルヴァトワールの生徒に手伝ってもらってリコーダー伴奏をしてもらいました。何しろ時間がなくて結構突貫工事。
デュファイの曲はリコーダーで私の歌うパートをダブってもらっているのですが、この時代の作品は基本ピタゴラス音律で取りつつ、コンテクストによって3度を純正で取る場所もあり、今回はそれら全部の細かな音程を事前打ち合わせできなかったのでちょっと響きが汚いところが何か所か。でもおおむね良いアンサンブルだったと思います。リコーダー奏者のうち1人は14歳のアントワーヌ君という少年で、彼は若いけど古い記譜法を習得していて私と同じく元の写本で演奏ができる逸材です。
ソルボンヌのプレ・セレクションはこうした録音の他、履歴書や研究計画などいくつか必要書類を出します。

書類審査が通ったら、次はオーディションがあり、実際に先生方の前で任意の演奏、それから四角記譜の初見と面接です。
四角記譜の初見は例年グレゴリオ聖歌が出されるらしく、今年もやや長めの一曲でした。ラテン語歌詞をつけて初見視唱。
面接も和やかに進み、合格確定。

この課程は、論文執筆と音楽学の授業がある他に、アンサンブル・ディアロゴスを率いるカタリナ先生(Katarina Livljanić)とアンサンブル・セクエンツィアを率いるバンジャマン先生(Benjamin Bagby)の中世作品演奏の授業、CNSMDの中世音楽教授ラファエル先生(Raphaël Picazos)の授業が必修です。
この課程でマスターを取得するとフランス国内ではどこの学問機関でも中世音楽の専門家として教鞭を取ることができるようになります。

中世音楽を専門にする音楽家はそもそも楽譜が一般的な形で出版されておらず記譜法も特殊で譜読みに知識が必要なので、音楽学者として作品のソースや周辺知識を探る手腕がなければ仕事になりません。かといって学者肌一辺倒でもだめで、コンサートで人の耳と心をつかむには演奏家としての確かな技術と豊かなファンタジーが必要です。ソルボンヌの中世音楽演奏マスターはその両方がバランスよく組まれているので、今から9月の新学期が楽しみです!
スポンサーサイト

Profil

辻絢子  (Ayako TSUJI)

Author:辻絢子 (Ayako TSUJI)
フランス在住のソプラノ・ピアニスト・クラヴィシテリウム奏者・音楽学者。パリ・ソルボンヌ大学中世音楽演奏マスター在籍。パリEnsemble Arquémie主催。
中世から現代に至る幅広い時代様式の演奏法と音楽理論を操る歌手、講師として国際的に活躍中。
15世紀以前の作品、とくにアルス・シュブティリオル様式の作品演奏と、13世紀ノートルダム楽派様式の即興演奏を得意とする。
古楽だけではなく現代作品にも関心が高く、日本で大学生&院生だったころは美学芸術学を専攻し音楽に限らずアートや映画、文学など幅広い分野を対象に20世紀以降の作品を研究。
パリでの演奏活動の他、2016年より「中世音楽センター」を立ち上げ、ヨーロッパの現役中世音楽専門家、演奏家と日本の生徒をつなぐ講習会やコンサートを企画している。

カレンダー

06 | 2015/07 | 08
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

検索

Code QR

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。