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オルガヌム即興講習会終了

4月22日金曜日に開催したノートルダム楽派様式のオルガヌム即興講座、無事に終了いたしました。
総勢12名の生徒さんに恵まれ、6時間の長丁場でしたがかなり濃い内容の講座ができたと思います。
今回の講座の内容は大まかに以下のような流れでした。

1.ノートルダム楽派に至るまでの記譜と対位法規則の変遷ダイジェスト版
2.バチカン式の対旋律作曲法実践
3.ノートルダム楽派の様式についての簡単な説明
4.ノートルダム楽派の記譜法解説
5.フィレンツェ写本読譜
6.同じスタイルでオルガヌム即興実践

難しい内容を6時間に詰め込む講座でしたが、最後にはクラウズラの即興もできて、受講生の皆さんのレベルの高さ、非常に印象的でした。全体的にフランスの生徒らに比べ対位法の理解が早いと思います。おそらく記譜法読解も少し続けてやれば皆さん問題なく読めるようになるでしょう。
中世音楽は日本からすれば、いわば異文化の失われた音楽ですが、コンテクストによって読み方が変わる記譜法など、ある意味日本語に似ている部分もありますから、もしかしたら親しみやすいのかもしれません。

文句のつけようがない美しい対位法で即興を展開していらっしゃる生徒さんも何名もいらっしゃいましたが、個人的には、当時の規則に従いながら歌唱不可能なほど前衛的な対旋律を書いてくる方とか、声明と聞きまごう民族色豊かな即興を展開される方などの強烈な個性を出してくるタイプの受講生の方々が面白かったです。
中世音楽の醍醐味の一つは「何をやっても完全に間違いともいえない」という点。誰も13世紀のヨーロッパを見てきたわけではないので、イマジネーション豊かに思い切って表現してみるのはとても良いと思います。
いくら学識豊かに研究しても、当時と全く同じ演奏を再現することは不可能です。それならば21世紀らしく行けるとこまで行ってみよう、という思い切りの良さは聞いていてすがすがしいですね。

中世音楽について学ぶ機会は日本国内ではまだまだ限られていると思います。
でも、中世音楽をやるなら理論の理解や様式についての勉強、記譜法の読解は必須です。
ヨーロッパのアンサンブルがやっている音楽のうわべを真似するだけでは、一聴してそれがばれてしまうもの。
本当に内部から理解して自分たちの個性的な演奏を組み立てていけるよう、今後も機会があればこうした講習会を日本国内で組めればと思います。

ご参加いただいた皆様、お疲れ様でした!
Bonne continuation !!
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Profil

辻絢子  (Ayako TSUJI)

Author:辻絢子 (Ayako TSUJI)
フランス在住のソプラノ・ピアニスト・クラヴィシテリウム奏者・音楽学者。パリ・ソルボンヌ大学中世音楽演奏マスター在籍。パリEnsemble Arquémie主催。
中世から現代に至る幅広い時代様式の演奏法と音楽理論を操る歌手、講師として国際的に活躍中。
15世紀以前の作品、とくにアルス・シュブティリオル様式の作品演奏と、13世紀ノートルダム楽派様式の即興演奏を得意とする。
古楽だけではなく現代作品にも関心が高く、日本で大学生&院生だったころは美学芸術学を専攻し音楽に限らずアートや映画、文学など幅広い分野を対象に20世紀以降の作品を研究。
パリでの演奏活動の他、2016年より「中世音楽センター」を立ち上げ、ヨーロッパの現役中世音楽専門家、演奏家と日本の生徒をつなぐ講習会やコンサートを企画している。

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